PMO(プロジェクトマネジメント・オフィス)の主な仕事は、Excel で報告書をまとめることにとどまりません。刻々と変わる予算、限られた資源、スケジュールの遅れ、次々に届く変更要求の中で、プロジェクトの統制(ガバナンス)を保つことが求められます。
この記事では、新人 PMO が早い段階で経験しておきたい3つの判断を、ゲームのクエストとして練習する方法を紹介します。
変更要求と変更管理
プロジェクトの途中で届くクライアントからの要件追加や、スケジュール短縮の依頼は、チームにとって大きなリスクになります。その場で受け入れてチームを過負荷にするのではなく、スケジュールとコストへの影響を定量的に分析し、変更管理の手順に沿って報告する練習をします。
クエストで問うのは「受けるか、断るか」ではありません。影響分析を行う前に結論を出していないか、という順番の判断です。
資源円滑化で負荷を分散する
一部のメンバーに作業が集中してボトルネックになったとき、プロジェクト全体の終了日を動かさずに負荷を分散させる手法が、資源円滑化(リソース・スムージング)です。各作業が持つ余裕(フロート)の範囲内で開始時期を調整し、特定の人への集中を和らげます。この考え方を、シナリオを通じて体系的に学びます。
なお、資源の上限に合わせるために終了日の変更も許容する手法は、資源平準化(リソース・レベリング)と呼ばれ、クリティカルパスが変わることがあります。どちらを選ぶかは、納期を守ることが最優先かどうかで決まります。
報告とエスカレーション
遅延が許容範囲を超えそうなときは、問題を隠さず、影響を定量的に示したレポートをもとに、経営陣やステアリングコミッティへ速やかに共有します。データと解決の選択肢を添えて伝える報告の流れがなぜ大切なのかを、クエストの中で経験します。
エスカレーションは「自分で解決できなかった報告」ではなく、判断に必要な情報を、判断できる人に早く届ける行動です。この捉え方を早いうちに身につけておくと、悪い知らせほど早く共有できるようになります。
役員からの変更依頼の例
架空のシナリオです。スプリントの終盤、役員からメイン UI を全面的に作り直してほしいという依頼が届きます。その場で引き受けるのではなく、追加の資源を投入する案と、スケジュールが遅れる可能性をまとめた影響分析レポートを作成し、関係者に共有するクエストを進めます。
PMO研修のチェック
- スコープが変わるとき、影響分析を行う手順がクエストに組み込まれているか
- ボトルネックを見つけたときの資源調整を扱っているか
- リスクをエスカレーションする基準が示されているか
PMP や PMBOK の考え方をクエストに落とし込む方法は、PMP のプロジェクト思考を新人研修に活かす記事で詳しく紹介しています。
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